「創成」の由来は…?
札幌市街の区画割りの基点となったのが、札幌に現存する最も古い橋といわれる「創成橋」です。小柄でありながらアーチ型が美しい橋は、石造橋として架けられた当時の姿に復元され、現在もまちのにぎわいの中心である南一条通の創成川に架かっています。
「創成川」「創成橋」「創成東エリア」…。いつからこの地を「創成」と呼ばれるようになったのでしょうか。
明治4~6年の市村画、村替地名などを記録した開拓時代の資料の中に、「創成橋」について書かれた文書を見つけました。
始成橋 本陣前の橋
俗に始橋と相唱可申事創成橋
始成よりはこの字が宜しきと存候札幌にはしめて成る橋と云意に候俗には創始両様に用候共勿論不苦候猶学者に御尋其上命告可ひ下候也(引用:道立文書館『地理諸留』(札幌本陣前創成橋命名の件))
これによると、『「始成橋」(本陣前の橋)は、一般にはじめ橋などと呼ばれているが、札幌で初めて完成した橋という意味で「創成」という字をあて、「創成橋」と呼ぶことにする』…というような内容が記されているのが読み取れます。
蝦夷地が北海道と改称され、開拓使が置かれたのが1869年(明治2年)。この文書が書かれた1871年(明治4年)は、岩村通俊判官により札幌本府の建設が再開され、開拓事業の本拠地が函館から札幌へ移転した年です。岩村判官が「創成橋」の名前をつけたとの説もあるので、このころから「創成」という呼び方がこの一帯を表すものになったのではと考えられます。
参考文献:道立文書館『地理諸留』、土木学会『創成橋解説シート』、札幌市中央区HP『歴史の散歩道』第四章(さっぽろの街づくりの基点 創成橋)