FAbULOUS 中村健一さん その3

 

このページでは、創成東で面白いコトをおこす「ひと」を紹介していきます。
前回に引き続き、複合店舗「FAbULOUS(ファビュラス)」をひらいている中村健一さんのインタビューです。
初給料を小切手でもらい徐々にアメリカを感じていく中村さん、その後はどうなっていくのでしょうか?
きき手:山本忠(さっぽろ下町づくり運営スタッフ)

 

中村:少しずつ英語でも会話できる様になり、アルバイト的な事も出来る様になりました。
そのころ兄の友達のTさんがアメリカに遊びに来ることになり、ロス等現地を案内することになりました。Tさんのお友達も一緒にいらしたのですが、その方が服や雑貨の買付の会社をアメリカで設立しようとしていて、現地を案内した事をきっかけにそこで働くご縁を頂きました。

山本:お見事!まさに袖触れ合うのも!だね。

中村:そうですね。その会社で働き出し生活も少しずつ安定して。
ただ、若干物足りなかったのがアメリカの現地法人ですが、従業員は全員日本人でした。

山本:アメリカだけど日本、苦難は続く(笑)。その時の仕事の内容は?

中村:現地の物(服飾)を買付け、日本に送る。日本では古着販売が絶頂の時です。

山本:買って、送って、買って、送って、それでも日本では商品が足りないみたいな感じ?

中村:そうですね。目方でドン!でまとめて買う事と、ビンテージものをセレクトして買う、そんな感じでしたね。

山本:目方でドン!って、バルク?

中村:向こうではベールって言い方だったかな? まとめ買いですけど内容はセレクトしていました。たとえばラルフローレンのこの色はダメとか、サイズの枚数を指定してとか。それから商品のダメージチェックです。
こういう細かな所に気を配る事が当時は日本人にしかできなかったので、日本市場にハマったのかなと感じました。現地での交渉もしっかりしていましたし。そんな仕事を2年ぐらいやっていた時、急用で一時帰国し札幌に戻りました。

山本:自分では意図していない帰国ですか。その時は何歳?

中村:たぶん、23?24歳ですね。
帰国して改めて日本からアメリカを見た感じがありました。

山本:そして再びアメリカへ

中村:いえ(笑)

山本:ん? ん?

中村:道内の農家に住み込みで3ヶ月ほど・・・

山本:農家??

中村:雲隠れみたいな感じです(笑)
20代前半って、生き方や考え方って、アッチ行ったりコッチ行ったりするじゃないですか、たぶんそんな感じだったと思います。

山本:そうだよね、そうだった。自分も20代の頃、6~7社は仕事変えてる(笑)

中村:ですよね笑。それで農家に住み込みで働いていたんですけど。仕事以外にやることがない。クドウジュンキさんのラジオが一番の楽しみでした(笑)
そんな生活をしていると、毎夜、思いつめちゃうんですよね。

山本:牧草ロールの上で夜空見上げながら?(笑)

中村:ないです笑。布団の中ですね(笑)
そして思いつめた結果、アメリカで企業しようと腹を決めました。

山本:20代真ん中で、企業した人は沢山いるけどアメリカで企業した人はボクの知り合いにはいません(笑)。法人設立の手続きとか他国のルールで二の足踏んじゃうよね普通(笑)。

中村:買い付けの仕事で知り合った諸先輩がいましたので、その辺りの心配は考えていませんでした。ただその時のビザがF1(学生ビザ)でしたのでボクがアメリカで企業します!と言ったところで、アメリカから見れば当然ノーです。語学学校に授業料払えばF1ビザは出してもらえたのでとりあえず再度学生として渡米し、職探しから始めます。

山本:また買い付けの会社?

中村:いえ、バーのバーテンです

山本:また意外なとこきたね(笑)

中村:ハリウッド近くのウエストLAという町にある、日系3世のラルフという人が経営していたバーですけど、今でいうガールズバーみたいなお店でした。

山本:これぞアメリカって感じだね(笑)

中村:ですね!
セキュリーティーが店舗入口で立っていて、映画の様な光景でした。
お客さんは地域の会社の2代目みたいな人が多かったですね。
そこそこの金持ちなのでチップが多く、給料で生活しチップは商品を買い付ける為に
仕入のお金として使っていました。

山本:そのころから商いの基本を理解してますね。
ボク達のまちづくり会社でも同じ事で、原資が小さければそれに合わせた地域なりの商いをして、上がった利潤をさらに原資にして商いをする。
地域を活性化するという大義名分を掲げて助成金等を当てにして運営すると、直ぐに終わりが来てしまいます。

中村:そこまで考えてはいなかったかな(笑)。
商品買付けの会社で働いた経験値から、仕入ができれば商品は日本で絶対に売れる確信がありましたので、少額ですがコツコツ買い付けをしていました。

 

(つづく)

取材協力:FAbULOUS
http://www.rounduptrading.com/